最近というか数年前からマンガアプリでよくマンガを読んでるんですが、つい先日読んだマンガに「いや、こんな5才児いないでしょー」っていう子供が出てきて、思ったことについて書きます。
普段、小さい子供がメインに出てくるマンガは、それほど好んで読んだりしません。
「かわいい」よりも、創作物に出てくる子供は、創作物によく出てくる作られた子供像で描かれる事が多く、子育てを経験して実物の子供を知ってしまった私には、その嘘くささが、気になってしまうからです。
それでも、そういうのが多いというのはわかってるし、メインキャラじゃなかったり、現実世界の話じゃなかったり、話の内容的にリアルさはあまり関係ないと思う時は、それほど気にしません。
「うちの3姉妹」みたいな子育て経験を元にしてるマンガは、共感できておもしろいですけどね。
それと全部が全部ダメなわけじゃなく、ちゃんとほんとっぽい子供が描かれてる事もあります。でもそれはわりと珍しくて、たまに見かけると、この作者さんはわかってるなって思うけど、そう思うことは少ないです。
いちいちそのたびに作者さんの年齢とか背景を調べたりしてないけど、ほんとっぽい子供が描ける人は、子育て経験か何かで、実際に長く子供と接したことがある人なんじゃないかなと思います。
それ以外の人は、創作物の中に今まで描かれてきた作られた子供像を、そのまま子供ってそういうもんだとイメージして描いてるんだろうなぁと思います。
誰もが、子供を経て大人になってるんだけど、小さい頃の事は覚えてる事が少ないし、自分が子供で感じた事と、子供を外から見て感じる事は違うから、自分が子供だった経験はあんまり子供像を描く糧にはならないんだろうな。
特に幼児期までってあまり覚えてない人が多いだろうし、覚えててもいくつかの断片的な事で細かいとこまではわからない人がほとんどでしょうし。
というのと、子供のかわいさとか、育児の共感とかよりも、私がマンガに求めるのは、恋愛の切なさや胸キュンだったり、おもしろい謎だったりするので、子供自体じゃなくて、一緒に出てくる人がカッコいいから等の理由で目を惹かれて読んでみる事が多いです。
前置きが長々としましたが、今回は新連載で最初の3話を読んだら、マンガアプリのポイントをもらえるから、というのがキッカケでした。
実際に読む必要はなくて、3話分開けばそれでOKなので、いつも読むわけじゃなく、気になる作品だったら読むって感じで、今回は5才児を育てることになる主人公(男)が、カッコよかったからちょっと読んでみました。
主人公は若いホスト。泥酔した女性を家に送っていって介抱してたら、いつの間にか泊まってて、記憶にないけど婚姻届を書かされちゃってて、翌日、その客の子供の5才児が、その婚姻届を持ってホストに会いに来て、これを書いたんだから自分の父親だとか、役所に出されたくなかったら20万円払えとか、脅しに来ます。
もうこの時点で、5才児が婚姻届を役所に出す事を知ってるとか、それを脅しに使うなんてしようとする事が、あり得ないんですが、この後も更にな事が続きます。
5才児は母親が男について出ていってしまってて、いわゆるネグレクトされてる子で(ホストが行った時は母がいたはずですがその後出ていったって事なんでしょう)、大家に家賃を催促されてて、そのための20万円だったようで、まさに大家が5才児に今この場で払えなければ児童相談所に連絡するとか、母親の悪口を言ってるのをホストが聞いてしまいます。
家賃の20万円は説明がないけど、たぶん数ヶ月分滞納しての20万円なんだろうと思います。後に出てくる部屋が1ヶ月20万円とは思えない様子なので。
ここでも、大家さん、大人なのに、5才児にそんな「家賃を払えなければ〜」なんて事言ってどうすんの?って思いました。
家賃云々関係なく、母親に放置されてる現状を把握してるなら、脅しの材料じゃなくて、児童相談所に連絡しなきゃでしょ。
っていうか普通に考えて、5才児に言ったって、20万円払えるわけないじゃん。
5才児に「20万払えなければ〜」っていう交渉をする大家の常識を疑うよ。
普通は5才児にそんな話をしようとすら思わないよ。
暖簾に腕押し状態で、話が通じると思えないから。
その話を聞いたホストは絆されて、大家に20万払ってあげるんですが、ここで、しかし、5才児は素直に喜ばず、ホストに同情された事を嫌がって反発するんです。
あんたが20万円払えって言ってたくせに?
事情を知られたら同情だから嫌って思うの?
後にわかる、母親が帰ってくる場所を残したいから部屋を出たくない(施設に行きたくない)という切羽詰まった状況で、ホストを脅したくらいなのに、同情されたくらいで嫌がるか?っていうのも、疑問です、5才児関係なく。
で、この同情に反発する時の表情と言い方とか、いやー5才児はこんなふうに言わないでしょーって感じがすごすぎて、ものすごく気になりました。
子供で描くなら、せめて10才くらいじゃないとあり得なすぎる。
世のほとんどの5才児は、同情されたっていう感情自体わかんないと思う。
その後も、一人で洗濯も料理も、家事ができちゃったり、スーパー幼児ぶりが描かれます。
他にも、ホストがこの後、じゃあ俺がお前のパパになって一緒にママを待ってあげるって安易に言っちゃうとか、ツッコミどころはいろいろありました。
でも、とにかく一番気になったのが、「こんな5才児いない」「5才児はこんな話し方しない」ってところです。
あまりに気になったので、マンガアプリのその話のコメントに書き込んだし、他の人のコメントも読みました。同じように思ってる人いないかなーと思って。
でも、マンガアプリの利用者は若い人が多いせいか、こんな5才児いないっていうのよりも、そういった意見に対する反発の方が多かったんですよね。
そして私はその反発意見を読んで、余計に憤慨してしまったのです。
自己分析すると、この作品の5才児の描かれ方よりも、「こんな5才児はいない」っていう事を理解しない読者のコメントの方に、ものすごく憤りを感じてしまったのです。
「自分の考えが絶対正しいのになんで理解しない人ばかりなんだー」って感じですかね。
反発意見の言い分は、そのくら賢い子だっていう設定なんだろう、そのくら喋れてもおかしくないんじゃないか、マンガなんだから、という中途半端なもので、余計に憤りが増しました。
5才児といっても、厳密に5才ぴったりの子がどうと言ってるわけじゃなくて(5才と6才の違いなんて細かいことまではわからない)、4〜6才くらいの子と考えてます。
個人差があってできない子もいればしっかりした賢い子もいるというのを考慮しても、それでもこの作品の5才児の言動はあり得ないと感じるんです。
そのくらい喋れるって、喋れる事自体はそうでも、問題は喋ってる中身なんです。言い方なんですよ。
中途半端に反発しているコメントにいちいち反論したくなりました。
チラホラと少ないながらも、同じように「せめて10才ならあるだろうけど5才はない」とか5才児でこれはあり得ないって感じてるだろう人のコメントも見受けられました。
これはもう、5才児を知ってる人と知らない人の差だと思います。
ざっくり「子供」というイメージしかない人、5才児がどういうものか、フィクション作品の中でしか知らない人、実物の5才児を知らない人は、このあり得なさがわからないんだろうなーと思います。
賢い子、早熟な子なら、こんな事言える子もいるんじゃないかって思うんでしょう。
だから、そんな粗探ししないで、作品を楽しもうよ、楽しんでる人の邪魔をしないでって思うんでしょうね。
別に粗探ししようなんて思わなくても、知ってるとそこが気になっちゃうんです。
鼻につくんです。
気になりすぎて、もはや作品を楽しめないんです。
それでもそこを気にさせないほどの面白さが他の部分にあれば、もうこの作品のこの子供はこういうものなんだ、と割り切って読もうと思うでしょうが、そこまでじゃありませんでした。
そもそも、軽くちょっと読んでみたってだけだったんです。
そしたらあり得ない5才児が気になりすぎて、思わずコメントして、他の人のコメントを読んで余計に気になって、ガーッと憤慨しちゃったって感じです。
そこまで考えるほどの作品だったわけじゃないんです。
あまりに私が読者のコメントに憤慨しすぎちゃったために、気を落ち着かせるために、これを書いているわけです。( ´ _ゝ`)
私も子育て経験がなければ「随分賢い子供だなー」で終わってたかもしれません。
「子育て経験まで言わなくても」とか「そんな事気にしないで、マンガなんだから楽しく読もうよ」「5才児がどうこう言ってる人は生き辛そう」等という、「何熱くなってんの?」みたいな、それを言うこと自体をバカにするような事を言っているコメントに、「ムキーッ」となってしまいました。
そう、煽られてしまったって事なんでしょう。
そこそこいい歳なものの、コミュニケーション能力の高くない私は、そういう煽りの言葉に簡単に煽られちゃうんだなーと自分で思いました。
直接自分に言われたってわけじゃなくても、こんな5才児はあり得ないっていうコメントを書いた時点で、自分もそっち側の意見を持つ人間として参加してる気分になっちゃうんですね。
ダメダメだなーと思いますが、こういうのはやっぱり経験して慣れていくか、避けるか、なんだろうなぁ。
そして、私は今、更年期障害の影響もあってか、ちょっと精神的に揺さぶられる事があると、不安感に苛まれがちなので、こういうのを避けないとマズイんだよなぁ。
あの理屈じゃない恐怖感、不安感をまた感じたくないので、こういう嫌な気分になる事は避けるようにしないとだなーと思います。
そういや「同情するなら金をくれ」っていう有名なドラマのセリフあったなーと思い出して、あの子って何歳だったんだろうと思って調べてみたら小学6年生でした。
だよねー。やっぱり。
そのくらいの年ならあり得るかなと思えます。
それでも早熟な方だと思いますよ、そんな事言うのは。
知ってる事は気になる。
例えば、自分と同種の仕事がドラマの中に出てきて、「いや、こんな事ないし」って思うのと一緒。
知らない人には、たいして気にならない事が、自分の知ってる事が出てきて間違ってるとすごく気になる。
そういうもんだと思います。
作者さんは、新人さんのようだし、恐らく若くて子育て経験も子供と長く接した経験もないんでしょう。
でも、編集者がついてるはずだと思うんですが(業界の事詳しく知りませんけど)、編集者はこの子供像に意見しなかったんでしょうか。
編集者も知らないか、フィクションならこういうのもありって感覚が狂っててそう思っちゃったか。
5才児を知ってて、あえてこんな、あり得ないくらいの現実にいない出来すぎる5才児にしたとしたら、現実離れした5才児で何を描きたいのかな?とも思いました。
知っててあえて、だろうとは思いませんけど。
だとしたら、それでもおかしくないような説明等がストーリーの中にあるはず。
うーん、なんていうかなぁ、表情の作り方が大人すぎるんですよ。
幼児だったら、鋭く何かを察しているにしても、もっと無表情でジーッと見つめるとか、表情の作り方が単純だと思うんですよね。
まあ、なんかもう、考えすぎて、あり得ないの基準がよくわかんなくなってきましたけどね。
激情を通り越して、このマンガを読み返して、この5才児を見ると、見た目はかわいい子だよね、って思いました。
そしてよく言う人がいる「マンガなんだから」という言葉を言う人にもムカッときます。
マンガ=フィクションなんだから気にしないで熱くならないで多目にみれば?って事なんでしょうが、フィクションだからって、現実世界の話で、日常が舞台の話だったら、現実との違いが気になるでしょ?
例えば今回の話でいうと、こんな5才児あり得ないけど、実は転生(時間をさかのぼってタイムリープ)してて中身は大人だとか、奇跡的に存在する精神的に大人みたいなスーパー5才児なんだっていうのがストーリー中に出てきていれば、現実にはあり得ないけどそこは「マンガなんだから」で納得しますよ。
ギャグマンガだったり、とんでも人間がたくさん出てくるような作品だったり、そんな5才児がいてもおかしくない状況が作り上げられている、そういう雰囲気がある作品なら「マンガなんだから」ありだと思うし、気にしません。
この作品の場合は、普通の現実世界の話で、実際にあるホストという職業の人が出てくる話で、特別信じられないくらいすごい5才児って感じで描かれてるわけじゃなく、賢いしっかりした子っていう感じで描かれてるだけなので、普通に存在しうる5才児として描かれていると認識したから、「いやいや、こんな5才児いないよ」って思っちゃったわけです。
現実を舞台にした作品に限らず、そのフィクション世界の設定の中で、これはおかしいんじゃないかって事を言うと、同じように「マンガなんだから」って言う人が出てきます。
「マンガ」の部分は、「映画」だったり「小説」「テレビドラマ」だったりもします。
いやいやいや、「マンガなんだから」なんでもいいわけじゃないでしょう。
それはもうフィクション作品に文句をつけちゃいけないって言ってるようなものです。
ただケチをつけたくて悪口を言うこととは違うんです。
ここはおかしいんじゃないかって言うのは、少なからずその作品に関心を持って、意見を言いたくなったって事でもあるんです。
まあ、この作品をこれだけ長い文章を書くほど気に入ったわけではないですけどね。
でも、ある作品を見て、それに対して何かを感じて意見を言う事は、その作品を作った人が望むことでもあるんじゃないでしょうか。
ただ作りたくて作って自分で見て満足するなら、他の人達の目にさらす事はないわけで、他の人達に見てもらいたいということは、見てもらった人達に何らかの反応をしてほしいと思ってるからでしょう。
たいていの人は、良い反応を望んでいるでしょうが、ただの誹謗中傷じゃない反対意見、ここはおかしいんじゃないかとか、間違ってるんじゃないかとか、否定的でもこんな風に感じたとかいう事は、作者さんのためになる意見になる事もあるんじゃないかと思います。
ここら辺の事について、「小説家になろう」サイトに投稿している作者さんの意見を読んだ事がありますが、それを続けて話すと別の話になって長くなるので、また別の機会に。
「小説家になろう」等の素人投稿サイトの小説も最近よく読んでて、作品の感想を書くと作者さんが直接読むことになるんですが、そこでも、最近、面白いというだけじゃない肯定的ではない感想を書いて、その作者からの返信を読んで自分の方がヘコんだという事もありました。
作者さんから嫌な事を言われたわけじゃないんですが、当然喜んだ反応なわけでもないので、その相手の反応を見て、自分が傷つくということになって、「うーん、これも、だったら書かなきゃいいんだよね、自分」と反省して、自分の精神的安定のために、否定的意見を書くのはやめておこうと思いました。
「小説家になろう」みたいなサイトで感想書くと、作者さんから直接返信がきちゃうので(返信がない場合もあります)、相手からの反応が直接くるとこではやめておこうと思いました。
さっきも書いたように更年期障害のせいか、最近自分のメンタルが弱いので、嫌な感じを受ける可能性がある事はやめておこうと、ほんとに思う今日このごろです。
ちなみに、話題にしたマンガは「マンガMee」の「愛をこめて、ぼちぼち」です。
絵柄はキレイで好きだなと思うし、新人さんのようなので、今後に期待だと思います。