whiteblueの徒然日誌

日々思うこと等を書き連ねるブログ

テレビ番組 11月26日放送のTBS「1番だけが知っている」を見て

北村弁護士が推薦した、冤罪事件の弁護を無償で引き受けた弁護士のお話。

 

www.tbs.co.jp

途中から見たので最初の方は見てませんが大部分はみました。

30年以上前の殺人事件で、有罪で服役している犯人とされる宮田さんが、実は犯人ではなく警察に無理矢理自供させられた事件。

最初に裁判で国選弁護人になった弁護士は宮田さんの無実の主張を受け入れてくれず、無実を主張するなら弁護は引き受けないから私選弁護人を雇ってくれと言って、私選弁護人を雇うお金のない宮田さんに他にどうしようもないと思わせて、裁判で自白させたそうです。

本当はこの国選弁護人が弁護を引き受けないなら別の国選弁護人に変わるだけだったのに、誤解を与えて本来弁護士にあるまじき行為を行ったということで、北村弁護士も言ってましたが、ほんとに腹立たしい。

 

そして途中からかなんか、国選弁護人として弁護を担当したのが斉藤弁護士で、宮田さんが有罪判決を受けて服役してからも、再審にむけてずーっと無償で活動し続けてくれた弁護士だそうです。

 

警察の長時間の取り調べによる自白の強要、証拠隠滅、目撃者への証言の取り消しの強要等、初めて聞くことじゃないですが、信じられないような不正の数々。

斉藤弁護士は地道に活動してくれて、新たな証言や証拠を見つけていきますが、結局、宮田さんは14年?くらいの刑期を終えてしまいます。

それでも名誉回復のため、再審に向けての活動を続けた斉藤弁護士はほんとにすごいなーと思いました。

 

ほんとにすごいなと思うんですが、この話をみて驚いたのは、途中、斉藤弁護士も奇跡だと見つけたときの興奮は未だに覚えているというような証拠を検察の証拠品から見つけた、ということがあっても、それでもそこですぐ再審請求につながらなかったということです。

これを発見したのはまだ宮田さんの服役中ですが、結局それ以上の決定打を見つけられないまま刑期を終えてしまいます。

凶器とされる刃物では遺体にあったような傷はつけられないということを法医学的に?証明できてやっと再審請求することになります。

けれども宮田さんはこの頃、認知症になっていて裁判をしたこと服役したこともわからなくなっていました。

 

再審請求をしたのが2012年、再審開始が2016年、裁判のやり直しを認めたのが2018年10月、ということで、つい最近裁判をやり直しが決まったというだけでまだ無罪にはなっていないのです。

この辺りの再審請求からやり直しが決まるまでの仕組みなどよく知らないんですが、まず申し立てできる状態になるまでも長かったし、申し立てしてからも長くて、とても驚きます。

それだけ再審請求というのは難しいそうで、去年数百件の請求があって認められたのはたった3件とのこと。

 

あれだけ、新証拠だ、新証言だとかあっても、1つの証拠が新たに見つかって、また次の新たな証拠が見つかるまでに何年もかかっています。

それだけ諦めずにずっと活動し続けてるのをすごいと思う半面、そんなに喜ぶ証拠が見つかってもそれでもまだ再審できないんだっていうことにすごく驚きました。

 

たぶん最初から見てたら、裁判のやり直しが決まった事件として紹介されてたんでしょうが、途中から見たので、無罪になった話だと思って見ていました。

なので最後に再審請求が通った、無罪になるよって話をしただけで、無罪になったっていうのがないまま次の話になってしまったのをみてビックリ。

えー?コレで終わり?

あれだけ奇跡的な新たな証拠がとかやってたのに、無罪決まってないの?っていう。

 

宮田さんは今介護施設に入っていて、もう返事もままならないような状況。

この再現ドラマを見ていた心情としては、あの最初の国選弁護人や、自白を強要したり証拠隠滅をした警察官がギャフンと言わされてほしいんですが、そういう展開はないんですね。

この後、無罪が確定されたとしても、その国選弁護人や警察官が罰を受けるようなことはないんだろうなぁ・・・と思うとやるせないです。

たぶん、こうやってテレビで放送することで、その弁護士や警察官の周りの人が気付いて非難の目を向けるとか、そのくらいなのかなと思うので、このテレビで放送するということが現状での最大の報いを受けさせることなのかなと思います。

(私は自分のやったことの報いというのは必ず受けると思っていますが)